教育資金の中でとりわけ大きな金額がかかる大学資金。子供が小さいときから少しずつ貯金をしていてもあっという間に無くなってしまいます。そこで大学資金はどれぐらい必要なのか、また大学資金が足りない時にどのような方法でまかなうのかを書いていきたいと思います。
目次
大学入学までに1,000万円必要?


娘の高校入学式に先生から「1,000万円貯金してください」と言われびっくりしました。
入学式のあと先生と親の懇親会でのできごとでした。先生からこの3年間で1000万円ためて大学入学時に備えてくださいと言われた時父兄の間ではざわめきがありました。
そんなに必要なの?
1,000万円なんて無理だよ!
親としては当然の反応です。今までも教育資金として貯金していたものは高校入学時に使っていますし、年齢的にも住宅ローンを抱えている方もたくさんいらっしゃいます。そんな中でも1,000万円はどう頑張っても大変なことです。でもできないから大学に行くなという選択肢は考えたくありません。がんばって貯金するしかないのです。
大学入学時にかかる金額は?

ただ貯金をしましょうと言っても何にいくらぐらいかかるのかわからなければ漠然として困りますね。大学受験時と入学時、そしてその後に分けてみます。
受験時
- 受験料
- 受験のための宿泊費・交通費
- 住居の仮契約
受験料はわかっていても住居の仮契約とは?と思うかもしれません。順をおって説明しますね。
まず受験料は
大学入学共通テスト ~18,000円(3教科以上)12,000円(2教科)
私立大学の試験 ~30,000円 (歯学部・医学部60,000円前後)
国公立大学2次試験 ~17,000円
私立大学は受験する大学の数によって受験料がふえます。
次に入学試験のために前泊・後泊がありまた交通費もかかります。特に私立大学を何校か受ける場合はそのたびに宿泊費と交通費がかかり往復するために体調管理がむずかしくなるからと、ウィークリーマンションを借りて腰を落ち着けて受験に望むご家庭もあるようです(雪による交通障害を避ける目的もあるようですね)。

そんなにたくさんの私立大学を受けるの?
3校から6校くらいは受けるようです。それでは受験料や宿泊費がばかにならないと思いますが理由があるのです。
経験者の父兄の方から入試に落ちて浪人して予備校に通うより、大学を受けて合格をしてくれたほうが負担が少ないとアドバイスがありました。
的確なアドバイスですよね。毎年私と同じ疑問を持つお母さんがいるそうで、その時に経験者の父兄の方から同じアドバイスをするようでありがたいことです。
さて住居の仮契約について疑問に思っている方も多いです。私も受験に付き添った時にほかの父兄の方から聞いて驚いたのですが、合格通知がなくても先に住む場所を確保してしまうようなのです。
理由として
・合格通知がきてから決めるといい物件はなくなっている。
・学生会館などは物件が少ないため早めに確保しておきたい。
・女の子はセキュリティが大事だから妥協できない。
お話を聞いて納得しました。入学試験のとき校門付近で住居の案内のパンフレットを配布していました。そして子供が受験をしている間に親は物件探しをしているようなのです。物件探しだけのために時間と費用をかけるのがもったいないということですね。
入学時
嬉しい合格通知を受け取ってからが怒涛のように費用がかかっていきます。
- 入学金
- 授業料
- 引越し
- 一人暮らしのための生活用品購入
入学金や授業料については国公立大学・私立大学また学部によって大きく変わってきます。ただ入学金ですが国公立大学を希望としている場合、私立大学の入学金の納付期限が国公立大学の合格発表前なので、2~3大学支払うというケースもでてきます。入学金の納付期限ギリギリではなく早めに支払いをすませましょう。
合格通知をもらってすぐに取りかかるのが引越しや生活用品の購入です。合格してから短期間で一人で生活ができるように整えなければなりませんのでとても大変です。そして交通費や目に見えないところでの費用もけっこうかかります。私の場合は20万円くらいかかりましたね(大学入学時は本当に雑費がかかるのです)。
「学生会館などに入居するから家電製品や大型家具など備え付けてあるから助かるわ」と考えていても、慣れてくるとお子さんの方から学生会館を出て一人暮らしをしたいと言ってくる方が多いそうで、結局時期がずれるだけで用意するのは免れないようです。
入学後
入学してからは最初の月だけ少し多くかかりますが毎月の支出はだいたい決まってきます。
- 教材費
- 家賃
- 生活費(お小遣い含む)
- 前期・後期の授業料
教材費は本代やテキスト代といったものがかかります(参考書や著書などもあります)。このあたりの費用はお子さんが先輩の方からのアドバイスをもとにやり繰りしていました。

1冊1万円という本を購入しました。本当に驚きましたね。
生活費などは住む場所によって変わりますが、お子さんもアルバイトなどすると思いますのでよく相談して決めると良いでしょう。ただアルバイトも3年生になるとなかなか難しくなるようですので気をつけておきましょう。
入学後からの貯金はむずかしい。
ここまでを見てみると1000万円なんてかかっていないと考えますね。たしかに入学時300万円~400万円くらいといわれていますが、そのあとは毎年ボーナスなどで折り合いをつければいいと思うかもしれません。
残念ですがそれができない理由があります。まだ大学入試を控えていらっしゃるお子さんがいたらそのお子さんのための貯金をしなくてはいけません。また親の介護などの件もでてくる年代です。次から次へと出費がかさんでいくので入学時に卒業までカバーできるだけの金額を貯金する必要があるのです。
大学資金が足りないときはどうする?

多くの方は大学資金を用意できるわけではありません。そのために大学資金を借りる制度などがあります。
- 奨学金
- 金融機関の教育ローン
- 祖父母からの援助
大学入学時にさまざまな手続きなどと同時進行になりますので締め切り日を忘れたりしないように早めに書類などを提出するようにしましょう。
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まとめ

目標金額 :1,000万円
大学受験時:50万円~100万円
入学時 :250万円~350万円
入学後(初年度):300万円~
*金額は概算で一人暮らしを想定しております。
教育資金でもっとも出費の多い大学入学時ですが、一人暮らしをして私立大学に通うケースがもっとも教育費がかかります。高校入学時にはどの大学を受けるかわからないので、できるだけの対応ができるようにとのことから「3年間で1,000万円貯めてください」となったのだと思います。
とても貯金が大変な金額ですがお子さんの希望大学に進学できるようにしたいですね。